この号よりNALU誌は新編集長となり、たくさんのページに参加させていただいた。
いつものように抱井さんの連載コラムがあり、
文末には日本のロングボードシーンへの危惧がこう書かれていた。
「淀みのないゆるやかな曲線でつながったロングボーディングを忘れないで欲しい」
実際にサンオノフレで日本やブラジルから来た(ハイパフォーマンス)ロングボーダーを見かけるのだが、
それがローカルボーイズの肴にされるほど、彼らとのスタイルが違うことに驚かされる。
ハイパフォーマンスロングボーダーたちは細く、軽いマルチフィンボードに乗り、
順番も初心者を思いやる気持ちはもちろんなく、ルールのみ(マナーはない)を守り、
本気でパドルして、テイクオフした途端にパンピングさせて速度をかせぎ、
掘れたらリッピングし、スタタタと瞬速でノーズに足をかけて1ポイント奪取とやる。
スープになったら膝に付けたリーシュを使ってボードをキックして、無表情のまま沖に全力で向かう。
ロングボードの良さは優雅さと、「間」、そして「そこから発生する心の豊かさ」にあると思う。
緩急・強弱・高低を自在に使い、急激に速度を落として、ノーズに向かう無速度感覚。
滑走のおもむくまま自分のスタイルを表現する自由。
泡波での遅速感覚。
古来ボードで古風に乗るワビサビ。
皆と波を分かち合う幸せと楽しさ。
それを知らずに、
そんな空気も読めずに到着した途端に波だけをチェックし、
ラックを出してボードを置き(日本特有の便利グッズ)、
フィンをセッティングして、ワックスを塗って、リーシュを付けて、
WSL等の採点基準に沿ってサーフするのは私もどうかと思ったのであります。
こういう図式だから「ロングボード禁止」とされるブレイクが多いのでしょうか。
皆と波を分かち合うロングボーディングが流行すれば変わってくると思うのだけど。
編集長ページも見つけた。
ここには私の写真があり、キャプションを見ると、
抱井さんの長男Rikiくんの撮った写真であった。
世代は移り行くが、思想は変わらずにそこに残っていく。
この内容はグリーンルーム・フェスティバル10年ということだったが、10年ひと昔。
俺もずいぶんと変わったであろう。
けれど、根底にある思想は何も変わっていないことに気づいた。
インスタグラムで #nakisurf とハッシュタグ検索したKさんが見つけてくれたのがこれ。
エルサルバドルのルイスが撮ってくれたものと推測し、それが7年前であることもつきとめた。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/2001
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/3201
このコールのツインフィンは今どこに行ってしまったのでありましょうか。
さらには26年も前に私が雑誌に掲載された写真が届いてびっくり。
台風時の勝浦で、川井幹雄さんや蛸さん、
早川さんたちが入っていてそれは良い波だったことを記憶している。
内容はこちらに↓
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/11657
昔話はこれで終わりとします。
それではすてきに週末としてください。
台風波がドカドカと来ているようなので、
楽しみながら安全に。
Have a great weekend!
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